はつかいちの子ども食堂

 ~はつかいちこども食堂「TOMO」と子ども食堂「さくらひろば」(さくら福祉会)~

「TOMO」の皆さん

「さくらひろば」の様子

 

01 ども食堂とは?

 「お母さんがお仕事だから、お弁当を買って食べるんだ」

 「今日は夜ごはんを一人で食べるの」

子どもたちからこんな声を聴いたことはないでしょうか?こんなとき子どもたちが参加できる取り組み、それが「子ども食堂」です。
子ども食堂は全国に2019年時点で3,700か所あり、2016年の319か所と比べると、3年で10倍以上増えています。子ども食堂には明確な定義はありませんが、子どもの居場所づくりや家庭的雰囲気の体感、子どもの食育など、運営する団体により目的は様々です。

こうした中、廿日市市でも子ども食堂を運営している団体があります。あいとぴあNo115(10月1日発行)では廿日市市で子ども食堂を運営している次の2団体を紹介させていただきました。

はつかいちこども食堂「TOMO」:廿日市市中央市民センター 不定期開催 
子ども食堂「さくらひろば」:梅原集会所 毎月1回第4土曜開催※時間は要確認

今回は社会福祉法人さくら福祉会(以下「さくら福祉会」)が運営している子ども食堂「さくらひろば」の紹介とその担当である“瀬戸裕美さん”と“高野美保さん”に話を聴きました。

 

02 子も食堂「さくらひろば」

社会福祉法人さくら福祉会は2018年4月から子ども食堂を運営しています。今年度は「子どもの食緊急支援プロジェクト(※1)から支援を受け、展開しています。今年はコロナ禍により、子ども食堂の開催すら危ぶまれた時期もありましたが、2020年6月に今年度第1回目を開催することができたそうです。

(※1)子どもの食緊急支援プロジェクト:子どもの食の問題に対して全国から支援金を募り、集まった支援金を全国の支援を要する家庭に「食の提供」という形で届けるプロジェクト 
リンク:https://ff.1m-cl.com/s/(子どもの食緊急支援プロジェクトホームページ)

第3回目の開催となる今回は、8月22日(土)10時30分から開始しました。本来であれば梅原集会所に地域の子どもたちが集まり、担当職員と一緒に調理をし、そのまま会食をするというスタイルでしたが、コロナ禍のため、子どもたちの人数を制限(※2)し、参加者でお弁当を作り配布するというスタイルに変更しています。

(※2)新型コロナウイルス感染症の対策として、人数制限以外に参加者の検温、消毒、マスクと手袋の着用の義務付けを徹底しました。

昨年度までは学習を受けに来る子どもたち分の昼食分、約30食だったのですが、今年度は100食のお弁当を配布することとし、回を重ねるごとに地域の配布世帯が増えていきました。参加した子ども6人と民生委員、児童委員、職員12人の計18人で100食分のお弁当を作りました。

お弁当のメニュー:ご飯、ピーマンの肉詰め、サラダ、ビシソワーズ

 

お昼12時には配布しなければならないため、急ピッチで調理が進められました。子どもたちもピーマンの肉詰めを焼いたり、ごはんやサラダを盛りつけたりと手際よく調理をしていました。きっちり12時には100食分のお弁当を作り終え、子どもたちも満足そうな笑顔を浮かべていました。

さくら福祉会では先に述べたとおり、2017年4月から子ども食堂を開始しています。開始した経緯や苦労したことなど、担当のお二人に話を聴いてみました。

 

03 子ど食堂をはじめたきっかけ

Q1 子ども食堂を始めたきっかけや経緯を教えてください?

瀬戸裕美さん:
さくら福祉会では、以前から地域の子どもたちを対象に学習支援に取り組んでいました。学習支援は子どもたちの居場所づくりとしての機能もあり、その中で「子どもの食を満たすことも必要なんじゃないか」という意見が出るようになりました。また、(ひとり親家庭の)お母さんは仕事から帰って、食事を作ることがしんどい時もあり、少しでも負担を軽くすることができるのではと子ども食堂を始めました。
今年度は「子どもの食緊急支援プロジェクト」の支援を受けることができたのですが、昨年度までは30食程度の配布だったのですが、今回は100食になり、少しずつ地域に広がっていきました。

Q2 子ども食堂(子どもの食緊急支援プロジェクト)を始めるにあたり、苦労したこと(地域への発信、食材の調達や予算など)はありますか?

高野美保さん:
たくさんの地域の方に参加してもらうために、最初は電話のみの(申込み)受付だったんですが、区長さんの協力を得て、地域の回覧板でチラシを配布していただいたり、保育園や小学校の児童会に掲示をさせていただいたり、また、申込書を直接持ってくることが難しい方には、メールやLINEでの受付をさせてもらいました。

瀬戸裕美さん:
食材は今回、(市社協ボランティアセンターから)紹介いただいた「かきのき村(廿日市市宮内)」から野菜を寄付していただきましたので、それらを使って調理しました。予算は毎回、寄付でいただいた食材やフードバンクなどを利用し、予算内に収まるようしています。

 

04 子ども堂に参加した子どもたちの様子と変化

Q3 参加されている子どもたちやその保護者の反応、変化など教えてください?

瀬戸裕美さん:
自分たちで調理をすることによって、主体性、自主性が身についてきたように思えます。子どもたち自ら動くようになって、自信をもって参加しています。

高野美保さん:
お母さんたちからは「レシピをいただいたのでお家で一緒に作ってみます」とか、4月からはコロナ禍で作って集会所で食べることから作ってお家で食べるようになって「(栄養)バランスが取れておいしかったです」とか、あと「子どもたちが家でお手伝いをするようになりました」や「ジャガイモの皮むきを一緒にするようになりました」など嬉しい話を聴かせてもらってます。

 

05 これからの子ども食

Q4 現在、抱えている子ども食堂の課題について教えてください?

瀬戸裕美さん:
子ども食堂自体は地域に広がっているんですが、実際に子ども食堂への参加が必要と思われる世帯(社会とつながりの薄い世帯)には届いていないので、それに対するもどかしさがあります。

Q5 これからの子ども食堂について、方向性や抱負などお聞かせください。

これからの抱負を語る瀬戸さんと高野さん

瀬戸裕美さん:
さくら福祉会では「子ども達に美味しいものをおなか一杯食べてもらいたい」という思いがあり、「食」を通じて、食べる楽しさと心の豊かさを育てていきたいと思います。

高野美保さん:
地域の人に喜んでもらっているので、もっと地域に広がっていけるよう、身近なセーフティネットとしての役割を果たしながら、子ども食堂を展開していけたらと思います。

今回は子ども食堂「さくらひろば」から瀬戸裕美さんと高野美保さんに話を伺いました。急増する子ども食堂、子どもの新たな居場所としての役割や食育など、児童の健全な育成を目指しながら展開している一方、残されている問題もあります。

  ・子ども食堂とつながって欲しい世帯の参加
  
・地域(地域住民や企業、行政)との連携
  
・運営スタッフの確保と負担の軽減
  
・資金の確保
  
・リスクマネジメント

これらは全国の子ども食堂で上がっている問題です。特に「子ども食堂とつながってほしい世帯の参加」については、子ども食堂を運営するスタッフだけで解決できる問題ではなく、学校や保育園など子どもと直接関わる機関、行政の教育委員会や児童関係の部署、民間の支援機関、地域(地域住民や企業)など様々な機関が連携を図りながら、問題の解決に取り組まなけらばならないのではないかと感じました。

【子ども食堂に関するお問い合わせ】
 はつかいちボランティアセンター(廿日市市社会福祉協議会)
 電話:0829-34-0231
 住所:廿日市市新宮1丁目13番1号あいプラザ3階