『就労支援』~地域の企業と協働で課題解決へ~


現在の就労状況


現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、失業者が増加しています。2009年のリーマンショック以降、減少傾向にあった完全失業率(※1)は新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年から増加傾向に転じています。また、有効求人倍率(※2)も減少しており、現在の就労状況は非常に厳しい状況にあると言えます。

リーマンショック前後の動向(2006年~2012年)

出典:労働政策研究・研修機構「新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響」

(※1)完全失業率 :15歳以上の働く意欲のある労働力人口のうち、無職で求職活動をしている人が占める割合
(※2)有効求人倍率:有効求職者数に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標のひとつ

このような状況の中、廿日市市社協では自立相談支援機関である「はつかいち生活支援センター」で、仕事に関する支援を行なっています。

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、やむを得ず失業してしまった人や離職期間が長期化してしまった人などに対し、個別に相談を受け、その人に合った個別の支援プランを作成し、はつかいち生活支援センターの職員と関係機関が連携しながら、その人の課題解決に向け支援をしています。

この仕事に関する支援「就労支援」では、以下のような支援を行なっています。

・キャリアカウンセリング
・就労に関する訓練
・職業紹介(無料職業紹介)など

この支援の中に地域の企業と連携した「就労体験」があります。この就労体験は相談者が実際に企業に赴き、実際の仕事を体験するというものです。実際の仕事を体験することにより、就労活動におけるミスマッチを防ぐ効果があり、また、離職期間が長期化している方や就労に不安がある方の不安軽減につながっています。

今回、地域の企業と連携した就労体験の紹介をさせていただきます。


就労体験


廿日市市では、この就労支援に協力してもらっている企業がたくさんあります。その中から今回は「旭食品株式会社広島支店(廿日市市宮内工業団地)」の取組みをご紹介します。

旭食品株式会社は「働きやすく 住みやすく 生きやすい 地域社会の創造・再生」をビジョンに掲げ、さまざまなCSRの課題に取り組んでいます。本社のある高知県を中心に、地域行政や教育機関との連携、地域生産者、メーカーとの商品開発など多様な活動を展開しています。

旭食品広島支店ではCSR活動の一環として、はつかいち生活支援センターと一緒に就労支援に取り組んでいます。はつかいち生活支援センターの相談者を受け入れ、実際の業務に就かせてもらっています。

2021年12月に、はつかいち生活支援センターから3名の人材を就労体験で受け入れてもらい、同社の倉庫内にて実際の業務、いわゆるピッキングの作業を行ないました。ピッキング作業は倉庫内を動き回るため、体力が必要であり、また、正確に商品を振り分けなければならないため、正確さが重視されます。また、取り扱っている商品の数がたくさんあり、商品を覚えるのも一苦労でした。

はじめての就労体験で戸惑いながらも仕事をこなしました

旭食品の社員さんから仕事の内容を熱心に教わりました

仕事内容の説明を受けた後、実際に一人で仕事をします。皆さん、戸惑いや緊張しながらも真摯に仕事に取り組んでいました。また、倉庫内は気温が低く寒かったのですが、その寒さを忘れるほど集中して仕事をしました。

就労体験の期間は一人当たり1日から2日程度1日3時間でしたが、それぞれあっという間に時間が過ぎたようです。

倉庫内を動き回るので寒くないです

商品を間違えないように


就労体験を終えて


就労体験後、旭食品広島支店の担当者から「正確、ミスがない」など高い評価をいただき、3人とも満足そうでした。他者から評価を得ることにより、本人たちも「仕事」に対する意識が変わり、

やってよかった
(こういう仕事が)自分に向いているということが良く分かった
他の仕事も経験してみたい
仕事を紹介してほしい

など、仕事に対して前向きな発言が出ており、本人たちの意欲喚起や自身の仕事に関する適正の把握につながったようです。本人たちにとって貴重な体験となったのではないでしょうか。

今後、はつかいち生活支援センターの就労支援員と一緒に実際の仕事に繋げていきます。


就労機会の創出


今回ご紹介した「就労体験」について、体験した本人たちには、以下のようなメリットがあります。

・自分の強みを知ることができる
・自分の適性を知ることができる
・自分の課題を発見することができる
・就労のイメージをすることができる
・仕事の経験が積める
・就職後のコミュニケーションの練習をすることができる

こうしたメリットを体感しながら、また、体験後に評価を受けることにより、本人たちの意欲喚起につながり、本人たちが就労に対して前向きに、そして、広い視野を持った就労活動につながっています。体験を通じ、求職者の活動の幅を広げることにより、これまで「自分にはできない」と思っていたことが、「自分にもできる」に変わることにより、新たな就労機会の創出につながるのではないでしょうか。

また、法人・企業と求職者の的確なマッチングによる就労定着に向けた、大切な場となっています。

廿日市市社協(はつかいち生活支援センター)では、今後も法人・企業・各団体と連携しながら、就労支援に取組んでいきます。


廿日市市社協では、就労支援に協力していただける法人、企業を募集しています。就労体験に興味がある法人、企業の担当者の方、下記問合せ先までご連絡ください。


この記事に関するお問い合わせ


はつかいち生活支援センター

〒738-8501 廿日市市下平良一丁目11番1号 廿日市市役所1階
電 話:0829-20-4080
URL:https://hatsupy.jp/seikatsushien/
メール:seikatsu@hatsupy.jp

>社会福祉法人廿日市市社会福祉協議会

社会福祉法人廿日市市社会福祉協議会

〒738-8512 廿日市市新宮一丁目13番1号
山崎本社 みんなのあいプラザ(廿日市市総合健康福祉センター)内
E-mail info@hatsupy.jp
ホームページアドレス https://hatsupy.jp

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